八十里越エリアの魅力を伝える新しい商品開発が進んでいます。その一つが、八十里越街道プロモーション事務局が公募した「観光商品開発支援事業」で採用された「八十里越街道お守り手形」。この春からの販売が予定されています。企画制作は三条市の三条印刷株式会社。開発チームの丸山勉さんにうかがいました。
➖「八十里越お守り手形」とは、どんなモノなのですか。
丸山:只見町のブナ林の間伐材を小さくカットした交通安全のお守りなのですが、八十里越エリア各所での特別サービスを受けられたり、この地域ならではの体験をしていただける手形にもなるものです。
➖ちょっとイメージしにくいので、もう少し具体的にお願いします。
丸山:只見町のブナの間伐材をだいたい3×6㎝、厚さ3〜4mmほどにカットし、レーザーカッターで絵柄や文字を施します。これを地元の神社で祈祷していただき、交通安全のお守りとします。
これだけだとよくあるお守りに過ぎませんが、いろいろなサービスにアクセスできる手形として機能させるためのQRコードが付いているのがポイントです。これを読み取ることで、地元のお店の特典情報を得ることができます。
➖例えばどんな特典があるのですか。
丸山:まだ開拓中の段階ではありますが、すでにさまざまなアイデアをいただいています。例えば、さっそく名乗りをあげてくださった只見町の喫茶店の店主は「普段お出ししていない特別なオリジナルブレンドコーヒーを考案したい」とのことです。
郷土名物「笹団子」を作っている方は「インバウンド向けに企画中の笹団子作り体験ワークショップをどうか」とのことです。
刃物の三条市だからこそのオリジナルな鍬を製造している方は「五穀豊穣を願ってひっそり店舗に置いてある、知る人ぞ知る品物を」とのこと。それが何なのかは秘密みたいですね。
➖ディスカウントの手形ではないのですね。
違います。私たちの趣旨としては商品やサービスを安くするのではなく、この手形ならではの価値を付加する方向を考えています。それにより、地元の皆さんが新たな商品を開発したりサービスを考える一助としてご利用いただけますし、利用者側にとっても、スペシャルなワクワク感をもっていただけると思います。
➖地元と観光客を結ぶ手形としてさまざまな展開ができそうですね。
丸山:そうなんです。このお守り手形ファンを増やして、地元の面白いもの、特別に販売したいものなどを発信できるようにしたいです。
➖手頃な価格帯にしていただけると嬉しいですが…
丸山:多くの人にご利用いただきたいので、私たちもそう考えています。はっきりした価格をまだ決められないのは、1本の間伐材から一体いくつ作れるのか、やってみないと分からないからなんです。でも神社のお守りくらいを基準にするつもりです。
➖このような商品を発案した経緯は?
丸山:私は昔バイクに乗っていました。新しい八十里越街道を見学したときは、特に秋の紅葉が本当に見事で「ここを走るために、またバイクに乗りたい!」と感じました。それもあって、車やバイクの方々向けの商品を作ろうと思いました。
交通安全のお守りがあって、さらに地元の情報や特典を得られたら一石二鳥以上です。公募を知った時、ここは地元企業として貢献すべきと思って応募しました。
➖間もなく販売開始ですね。
丸山:今のところの計画では4月から5月となりそうです。まずは「道の駅しただ」での取り扱いを予定しています。開通までの間は販売の助走期間で、いよいよ開通の暁には爆走モードに入れたらと思っています。
➖お守りですから毎年更新もお考えですか。
もちろんです。八十里越エリアの祭りや文化風習を図案化してシリーズにしたり、このエリアらしい図柄を発表していくつもりです。お土産としてもご利用いただけるデザインを考えたいです。
待ちに待った新しい道路の開通が迫り、地元の期待も高まっています。だからといって私たちには、いきなり大きな取り組みはできません。しかし、この小さなお守り手形が成長して面白いことを起こせるかもしれません。特典を提供してくださる仲間を求めていますので、ぜひご参加ください。